冬 道東 釧路町 冬の湿原でバードウォッチング！
白い世界に生きる鳥たちを探そう!!

日本最大の湿原として知られる釧路湿原。東京の都心がすっぽりと入ってしまうほど広大で、そのほとんどが原始のままに保たれているため、多彩な水鳥や貴重な水生植物をはじめ、たくさんの野生生物の貴重な生息地となっています。あなたが釧路湿原と聞いてイメージするのは、緑に満ちたこんな風景かもしれません。

ところが冬になると、釧路湿原はがらりと風景を変えます。あたり一面が雪におおわれた銀世界になり、蛇行する川辺の木々は葉を落として枝だけの状態に。夏は豊かな緑に隠れていた水鳥や野鳥たちも、その姿が見つけやすくなるのです。冬の釧路湿原がバードウォッチャーたちから高く評価されているというのも、納得です。

釧路湿原でのバードウォッチングなら、湿原を知りつくしたアウトドアガイドと一緒に行くのが◎。野鳥に合わせた、おすすめの観察ポイントまで案内してくれます。釧路湿原は特別天然記念物・タンチョウの繁殖地としても知られており、毎年冬になると、たくさんのタンチョウが美しく羽ばたく姿を見ることができます。

雪が音を吸収してしんと静まり返っている湿原から「キョ、キョ、キョ」という甲高い鳴き声が聞こえてくることがあります。ガイドは鳴き声や気配を感じるとすぐさま参加者に教えてくれます。大型の猛禽類を観察するチャンスが多いのも冬の醍醐味。枝に止まったオジロワシなどの姿が、遠くからでもよく見えます。

冬の森を散策してみるのもバードウォッチングの醍醐味。スノーシュー（西洋かんじき）を履いて、ガイドと一緒に雪に埋もれた林の中を歩くと、足跡や寝床など野生動物たちの痕跡があちこちに。ガイドの解説を聞きながら根気よく探すうちに、木に止まった野鳥の姿を見つけられることもありますよ。

釧路湿原の周辺で、比較的よく見かけることができるのがアカゲラ。黒と白と赤の模様をした中型のキツツキで、愛らしい姿で人気の野鳥です。丈夫なクチバシを使って樹皮をはぎ、木の幹に穴を開けて巣をつくります。運が良ければ、アカゲラが高速で木をつつく「ドラミング」を見ることができるかも。

冬のバードウォッチングなら、カヌーで出かけるのもいいものです。「釧路マーシュ＆リバー」では、釧路湿原でのウインターカヌーツアーを主催しています。音もなくスーッとカヌーが川に滑り出すと、目の前には非日常の世界が広がります。白く輝く霧氷で彩られた周囲の木々や、流れる「はすの葉氷」を間近に見ながら、水鳥の目線で楽しむバードウォッチングは、まさに冬だけのお楽しみ。